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竹のオガ粉が注目されています! |
竹の繊維で覆い 白菜の成長早く 保温、抗菌で3割重く 県農業短大 長谷川教授 里山保全にも一役 おがくず状の竹の繊維を畑にまくことで野菜の育ちが良くなることを、県農業短大の長谷川和久教授(土壌環境科学)が白菜の栽培で確認し、二十七日から金沢での「環境の保全と緑化にかかわる資材・技術研究会」で発表する。 竹繊維の保温効果や抗菌作用が期待できるほか、里山で伐採された竹の有効活用にもつながるとして、農家の利用を呼び掛けている。 竹繊維は伐採したモウソウチクを粉砕し、おがくず状にしたもの。 金沢市浅川町の小規模作業所「医王膳の里」の畑を借りて、県農業短大の畑川聡研究生が実験した。 白菜の栽培は、土の温度を上げて野菜の成長を早め、雑草が生えるのを防ぐため、樹脂製の黒いシートで耕地を覆うことがある。 実験は黒シートのほかに竹繊維で覆う区画をつくり、昨年(H15年)九月七日に白菜の苗を植え、十一月十三日に収穫した。 白菜の食べられる部分「結球部」は竹繊維の畑で平均 3.5kg となり、黒シートの平均 2.7kg より三割ほど重かった。 植えた苗の数に対する収穫は 竹繊維 84%、黒シート 60% だった。 竹繊維の効果について長谷川教授は、竹の抗菌作用により農薬を使わずに栽培しても収穫が維持できると考えている。 竹繊維の保温作用で成長が促進され、早く収穫できるようになるという。 長谷川教授によると、竹繊維の原料となるモウソウチクは繁殖力が強く、整備不足で荒れ放題になっている竹林が全国的に増えているという。 古くは竹細工やタケノコとして利用されてきたが、輸入物に押され利用価値が下がり、伐採しても捨てられているのが現状だ。 長谷川教授は「近くの里山のモウソウチクを農業に利用することで里山保全と耕地管理の両方を実現できる」と話している。 (平成16年1月 北国新聞 朝刊 掲載記事より) |